筑波大学 知的コミュニティ基盤研究センターでは、毎年、情報メディア、情報技術、知的コミュニティなどに関連するテーマを設定し、シンポジウムを開催しております。 本年度は「大災害における文化遺産の救出と記憶・記録の継承−地域コミュニティの再生のために−」をテーマにシンポジウムを開催いたします。
日時 | 2013年3月2日(土) 13:00~17:00 |
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会場 | 筑波大学春日エリア 情報メディアユニオン1階 情報メディアユニオン講義室 |
参加費 | 無料 |
定員 | 150名 |
※当日参加も可能ですが、参加される方は出来るだけリンク先の参加申込フォームから、事前申込をお願いします。
シンポジウムの詳細については、下記のPDFファイルも御利用ください。
シンポジウムポスター(PDFファイル)
近年、日本列島各地で、東日本大震災に代表される大規模な自然災害が頻発している。スマトラ沖・ニュージーランド等の地震災害や北アメリカ南部・東南アジア地域等の台風被害が示すように、それらは地球規模の現象の一環と考えられている。そして被災地では、多数の人命や施設等とともに大量の文化遺産が損害を受け、地域文化の記憶・記録とともに滅失しつつある。
一方、これらの被災した文化遺産の救出、保全、修復活動が、日本はじめ世界各地で行われている。さらに被災経験の反省から、文化遺産の安全な場所への移動、それらの複製化・デジタル化と分散保管、そして地域の記憶の記録化も再検討されている。
ここで確認しておくべきことは、地域の文化遺産とは、第一に地域コミュニティの歴史文化に関する“記憶のかたち”である、という点である。地域コミュニティは固有の歴史文化によって自らの精神的存立基盤を構築し、その記憶は文化遺産を媒体として子孫に継承される。地域コミュニティにおける歴史文化の総体が現代世界の歴史文化だと理解するなら、被災地における文化遺産の救出・保全は、まず被災地域のコミュニティ再生にかかわる基盤情報の、そして世界規模で進行する情報ネットワーク化における基幹情報の、将来へ向けた保存活用の課題であると言えよう。
近代以降の社会では、地域コミュニティの記憶・記録や文化遺産を保存公開する場として図書館・博物館・資料館・文書館が設置され、一定の機能を果たしてきた。これに加えて近年の大災害では、大学等の専門研究者を中核メンバーとする民間ボランティアが組織され、地域の行政及び上記の諸機関等と連携しつつ、現地で文化遺産の救出・保全活動に携わっている。これらの活動目的の中に、記録・記憶の継承母体である地域コミュニティの再生が存するのは言うまでもない。
そこで本シンポジウムは、筑波大学が立地する茨城県及び福島県等の被災地で、文化遺産の救出・保全や地域コミュニティの記録・記憶の継承に取り組んでいる大学関係者や博物館等の学芸員を招き、活動の現状と課題に関する御報告をいただく。そして各報告及び参加者を含めた意見交換を通じて、情報及び課題の共有化を目的とする。
12:30 | 開場 |
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13:00 | 開会 |
13:05 | 趣旨説明 (筑波大学図書館情報メディア系准教授 白井哲哉) |
13:10 |
第1部:被災文化遺産の救出・保全・修復
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14:45 | 休憩 |
15:00 |
第2部:記憶・記録の継承と地域コミュニティ
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16:05 | 休憩 |
16:10 | 総合討論 |
17:00 | 閉会 |
17:15 | 会場撤収 |
※当日参加も可能ですが、参加される方は出来るだけリンク先の参加申込フォームから、事前申込をお願いします。