Research Center for Knowledge Communities
ディジタルコンテンツを知的・芸術的・社会的活動の基盤として活用するためには、コンテンツの作成や組織化とともに、検索技術が重要である。 本講演では、文化財ディジタルコンテンツ教育目的応用を検討したCEAXプロジェクトの事例をとりあげ、 探索的な発見的学習を支援するための提示型検索システムと分析支援機能を有するCEAX Voyger、 多様なメタデータや関連情報を緩やかに結びつける成長するメタデータフレームワークOwlery、 探索的な学習や探索の評価手法について紹介する。知的活動の基盤としての検索は、学習・調査、あるいは観賞や楽しみのための検索であり、 1回のクエリ入力で問題解決を目指すサーチエンジンとは異なり、対話的・探索的に、いろいろな観点から情報を集めいく場合が少なくない。 最後に、CEAXや関連する具体例を踏まえながら、知的活動の基盤としての検索技術の要件として、1) スケールアップの前提となる適合度順出力、 2) 提示型(ostensive)検索モデル、3) 対話的な探索と検索結果の分析や理解を支援する探索的検索、 4) これらの3つのアプローチにおける検索有効性の評価について概観する。
国立情報学研究所教授。総合研究大学院大学複合科学研究科情報学専攻教授を併任。
1994年慶應義塾大学大学院文学研究科図書館情報学専攻博士課程修了。博士(図書館・情報学)。 学術振興会特別研究員を経て、同年7月学術情報センター研究開発部助手。シラキウス大学客員研究員、 デンマーク王立図書館情報大学客員研究員等を経て、1998年学術情報センター助教授、2000年国立情報学研究所助教授、2004年より現職。 探索や学習のための情報アクセス技術、情報アクセス技術の評価、探索的検索の認知的研究などに従事。 1998年より、情報検索とアクセス技術の国際評価ワークショップNTCIRを主催。
2000~2006年ACM Transaction on Asian Language Information Processing Associate Editor, 2003~2007年ACM-SIGIR Asian Representative for Executive Committee, 2007年ACM-SIGIR Program Co-chair, 1998~2002年および2011年~言語処理学会評議員, 2007年~Information Processing and Management, an International Journal (Elsevier) Associate Editor.
神門先生の公式HP:http://http://www.nii.ac.jp/faculty/kando_noriko/